おしえて?Q&Aこたえます
1
ヤギのことをあまり知らない人に、これまでよく聞かれたこと
2
初めてヤギを飼った人が、よくきくこと
3

こんな時、こんなこと、こんなふうにしてきたこと

4
山羊の病気やけがでこれまでの経験や得た情報
5
これからヤギを飼おうとしている人がよく聞くこと
「乳房炎」
乳の色が黄色味を帯びている(ひどいときは赤い)

乳用ザーネンに多く発生します。細菌が乳房内に入り込み炎症を起こし、はれて熱を持ちます。乳首を握った時に違いが分かります。搾る際にプチプチという感触がした時は搾った乳の中につぶつぶが混ざっていました。全体に普段よりドロッとした感じだったり、フスマのような色になることでも気づきます。軽い状態の時はきれいに搾乳して、翌日には回復したことも有りますが、血を吸うハエが異常発生してヤギの乳房にたかり傷が絶えなかった夏は、配合飼料をやめ、一日に3回悪い乳をきれいに搾りきることで回復しました。冷シップも効き目があるようです。ひどい場合は抗生物質の投与が必要です。乳房を不潔にしたり傷があったり、ストレスが重なったりが引き金になります。8産目3頭の子ヤギを育てて1か月のときに重症の大腸菌性(壊疽性)乳房炎になったことがあります。(写真 壊死した乳房とそれが落ちた直後)張った乳房から乳ではなく血が出ました。一命はとりとめましたが壊死した乳房は回復しませんでした。そのときの経過はこちらでご覧になれます。

「食中毒」
口から泡を出している

から泡を出している症状があれば、食中毒と見て間違いないようです。反芻をせず、食欲も無くなり、緑色の塊を吐き散らしたりすることがあります。毒を体から出すことが大事です。卵白、牛乳、ヤギ乳、灰汁、スポーツドリンクなどを飲ませると効果があるようですが、吐剤、下剤など、薬剤の投与は獣医さんに相談してください。うちでは現在はほとんど草葉を飼い主が投与しているため、基本的には毒草を与えることは無く、また十分な餌を与えていれば、混じっていても食べません。主にけい留飼いをしていた時も食中毒と思われたような経験はありませんでした。軽ければ自力で回復しますが、毒になるものを食べてしまうことが無いようにすることが大事。(毒草のページへ)

「下痢」
糞がコロコロでない

 便が水様、泥様で長引いている場合は緊急に獣医さんに見てもらってください。子ヤギの場合は死に至ることがよくあります。ヤギにふさわしくない飼料を与えたり、餌が急に変わったりカビが生えていたり、毒草を食べたりした場合のほか、寄生虫による場合、高温多湿など環境によるなど、原因を突き止めて早い時期に改善することが大切です。下痢とまではなっていなくても、まれに鹿の子状態の糞をすることがあります。冬に乾草やマメガラばかり食べていたのが、青草が存分に食べられるようになって、水分の多い草や野菜クズをたくさん食べたときなどによくおこります。繊維質の多いもの、乾草を与えることですぐにまたコロコロの糞になります。ストレスが原因で右写真上の様な糞をしたこともあります。ヤギの糞はコロコロなのが正常。コロコロでなければすぐに対処が必要と思ってください。

ぱらぱらでない状態の糞。馬の糞のようにボトンとしたもの、つぶはあるがくっついた状態のもの

「腰麻痺」
ヤギが立てない

前触れも無くヤギが立てなくなったら、おそらくヨウマヒにかかったと思われます。食欲はあるのに、いくらか元気が無い、と思っているうちにふらふらした歩き方になり立つことができなくなるといった状態から、寝たままになるものなど症状に差はあります。日本ザーネンは、予防をしなければこの病気になる確率が高く、かかってしまうと、回復が難しい病気です。蚊が媒体となっておこる病気のため、予防をしてください。  (Q&Aヨウマヒの予防へ)

「鼓腸症」
腹が張って苦しそう

左側の腹が押しても硬いくらいにパンパンに膨らんだことがあります。反芻をせず、目が充血し、呼吸も速くなって苦しそうなので、間違いなくそれと分かります。急性と慢性があり、急性の場合は窒息死の危険があります。 獣医さんを呼んで手当てをしてもらう必要がありますが、すぐに来てもらえない場合や来るまでの間、膨らんだ腹を藁などでマッサージしてください。同時に口の横からほんの少しづつペットボトルなどで水を飲ませ胃の中のガスを抜きます。水を飲ます時に前肢(足)の位置を高くして、気管の方に入らないよう気をつけてください。
 鼓腸症は春先に若草を大量に与えた時や、穀物やマメ科の植物を一度に大量に与えた時に起こりやすく、発酵しやすいものをたくさん与えたり、運動不足の時により起こりやすくなるようです。9歳のヤギが、産後具合が悪く立てないでいるのに、アカツメなどマメ科のものを与え、苦しい思いをさせました。夜中に2人で必死のガス抜きを一時間くらいかけてしました。腹は押すとへこみ、見た目にもずいぶん小さくなり、ヤギも翌朝には楽にしていました。重症の場合、いよいよの手段として直接腹の外から突き刺してガスを抜きますが、この穿胃術のできる獣医さんは多くないとも聞きました。翌朝獣医さんが来てくれましたが、鼓腸症に対する判断と手当ては間違いなかったようです。第一胃で飼料が異常発酵するためになる病気で、牛などにも起こります。

「破傷風」
口が開かない、歩き方がおかしい(初期)

めったに発生しない病気ですが、人にも家畜にも、傷口などから土壌中にある破傷風菌の感染によっておこります。死亡率が高いのと、末期は呼吸困難になり窒息死するため、恐ろしい病気だと言われます。初期症状は口が開かなかったり、歩行に異常が見られたりしますが、症状の進行する過程は同じではないようです。初期なら血清を打つなどで治療が可能です。山羊小屋や運動場に、怪我をする原因となるような物が落ちていたり、放置されていないように気をつけたいと思います。 この病気にかかった山羊の例を細かく記述したはたかおりさんのブログを参考にしてください。専門的なサイトへもリンクしています。

「皮膚病」
たむし
毛が抜けて広がる

秋に足の毛が抜けて、なかなか治らないことがありました。糸状菌が皮膚に寄生する「白癬」=「たむし」だと思いました。この皮膚真菌症なら、 重度の場合には体全体に広がり、人間や他の動物にも感染します。幸いに片足の先だけで、このときはワセリンをたっぷり塗ることで治りました。馬のたむしの治療情報をインターネットで見つけて試したのですが、驚くほどの回復を見せました。良くならなければ獣医さんにお世話になっていたと思います

しろうとですが、メールでの質問お受けします。わかる範囲でお答えします。