ひとり置いて行かれた親戚のじいじは、ヤギとの散歩を毎日欠かさずにして、子ヤギに遊んでもらっていました。日に日に大きくなる子ヤギが、立っているニコの背中に容易に飛び乗るようになり、背中は拭いても拭いても直ぐにどろんこになりました。草もよく食べ、あずきくらいのフンをパラパラとするようになり、旅立ちの準備は順調です。
そろそろ引き取りをお願いしますと早目に連絡を入れておいたら、直ぐにお迎えに来てくれました。私は40日までは母ヤギのミルクを飲ませてあげると決めているのですが、その40日目の旅立ちとなりました。運搬車にはすでに数頭の子ヤギが乗っていました。ヤギさんいますで紹介している佐納さんちの子ヤギだったことが、後からわかりました。抱きあげて車に乗せて、鳴く間も無く去って行きました。。「元気でねー!」
ニコはあまり泣きませんでしたが、ミーアのが甲高い声で兄弟を探していつまでも鳴きました。翌日からミーアが飲み残したミルクを一日1回しぼりました、
オスの子ヤギがいない暮らしに慣れてきました。ミーアはミルクを飲み放題。人に「遊ぼあそぼ」とやたらちょっかいを出すようになりました。ニコはこれまでよりはのんびりと子育て、ヤギ小屋はとても静かになりました。
親戚のじいじも帰り、そろそろミーアのお迎えがくるかと言う時期ですが、引き取り手の都合で目処がつかず、こちらで連れて行くことになりました。旅立ちまでの毎日、欠かさずに、」散歩に連れて行きました。夫も体調の良いときにいっしょに歩きました。
ミーアを高山村の山羊飼いさんに届けました片道2時間半かかりました。元ゴルフ場だったという広い敷地に、作ったばかりの柵がまわされて、トカラなど小型のヤギがたくさんいました。一頭いるザーネンは、4年前にうちから旅立った子で、ミーアのおばさんになります。
さっそく仲間入り。体の大きさはトカラと変わらないくらいあるし、どんどん成長するから、前からいた子たちに負けないでしょう。帰るときにも仲間がいるから鳴きませんでした。
子ヤギの季節が終わりました。ニコがさぞ鳴いたかと思いきや、お隣さんが「いや、静かだったよ」と。ミーアに背中に乗られて、いつもどろんこにされて可哀想でしたが、翌朝搾乳の時に綺麗に拭いててやりました。当面は1日2回、日に4リットルのミルクの始末に追われます。「ニコ、子育てご苦労さまでした。のんびりして下さい。」「ヤギミルク待ってた方たち、お届けしますね。」