「おばあ様、お許しください。
私、大切なヨーグルトを、こぼしてしまいました。」
「なんだって?」
「いまそのしまつをしに、沢へ洗いにいってきたところです。
おしおきは覚悟しています。」
魔法使いは、ヨーグルトの室を調べ
疑い深そうなめでイリアラーサをにらみつけましたが、
「おまえが、ヨーグルトを一滴でも飲んだら、わたしにはわかるさ。
さっさと行って自分の仕事をおし!」
そう言っておしおきはしませんでした。
イリアラーサは、その日は何もかもきちんと仕事をして、
魔法使いにはとびきりのおいしい食事を作り、
「疲れたので早めに休みます。」
といって、そっと抜け出してヨーンのところへ行きました。
ヨーンは息は吹き返しましたが、まだ歩くことはできませんでした。
「もう少しヨーグルトが必要だわ。」
イリアラーサは、ヨーンを救うために
次の朝、魔法使いの飲むヨーグルトから、一さじをぬすみました。
その次の朝も一さじを盗み、ヨーンに持っていきました。
元気を取り戻したヨーンは
イリアラーサを魔法使いからたすけ出したいと思いました。
「いっしょに逃げよう!」
三日目の朝、
ヨーグルトを持って来たイリアラーサの手を取ってヨーンはいいました。
そのとき、そばにいたミミルークレヤが、激しく首を振りました。
魔法使いがかんずいてしまったのです.
ヨーンとイリアラーサは走って逃げました。
怒った魔法使いは、逃げる二人に魔法をかけました
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