夏休みになるとクルミは一日中はなといっしょでした。本を読むときもはなといっしょです。学校でならった歌をうたったり、ハーモニカをふいたり、絵をかいたりするクルミのそばで、はなはのんきに草を食べました。 畑のとうさんにおべんとうをとどけるときも、はなをつれていきました。でもそんな時、はながみちくさをくってばかりいるので、とうさんはきまってはらぺこでまっていました。はなが立ち止まると、「おいしそう!」といって、クルミも立ち止まるのです。 けれど、きんぽうげやたけにくさのあるところでは、はなのおしりをたたいて歩きました。 毒の草を食べてやぎが死んでしまったはなしを、ばあちゃんから聞いていたからです。配合や畑で取れる野菜ばかりあげて、やぎを死なせてしまった人がいた話も聞きました。つないでいるひもが足や首にからまって、土手で中ずりになって死んでしまったやぎの話を聞いたときは、クルミはおそろしくて泣きたくなりました。 だからクルミはできるだけはなのそばにいました。 おかげで夏休みの間、はなはほとんどつながれることがなく、自由にとびまわったり、草を食べたりすることができたのでした。 |