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									 そこで三人の王子は、 
										ミミルークレヤのいる高いがけをめざして山を登っていきました。 
										 
										しばらくいくと、 
										道はせまく坂は急になり木の枝がじゃまをして、 
										馬に乗って登っていくことができなくなりました。 
										三人は仕方なく馬を下りて歩いていきました。 
										やがて日が暮れると、 
										疲れた三人は持ってきた食べ物を分け合い、木の下で眠りました。 
										 
										次の日も、またその次の日も一日中歩きましたが、 
										三人の王子たちは魔法のやぎを見たがけにたどり着くことはできませんでした。 
										四日目になると、食べ物はわずかになり 
										一番下のヨーンはなにも食べずに眠りました。 
										五日目なると、三人とも、もう歩けないくらい疲れきっていました。 
										一番上のウエンが言いました。 
										「このままでは、三人ともやぎを探し出す前に、たおれてしまう。 
										僕は、ここに残って、何か食べ物を探して待つことにしよう。」 
										 
										まん中のクワンとヨーンは、疲れた足を引きずって歩いていきました。 
										二人はその夜、わずかな水を一口ずつ飲んだだけで眠りました。 
										次の朝、二人は起き上がることもできないほど疲れきっていました。 
										クワンは泣きながら言いました。 
										「僕は、もう歩けない。魔法のやぎなんてもうどうだっていいよ。 
										ウエン兄さんは、何か食べ物を見つけたろうか? 
										今ごろ一人できっと何か食べてるんだ。 
										ああ僕はおなかがすいて死にそうだ。」   
										ヨーンは、やっとの思いで立ち上がり、いいました。 
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