ぷるんごのひみつ 
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  よく朝、クープのところにお母さんが言ってみると、ソンはいつもの姿で、クープとよりそって眠っていました。お母さんに気がつくと、ソンはひといきにあれこれはなしました。
「ああ、かあさん。ぼく、すばらしい夢を見たんだ。ミツバチの魔法使いが、ぼくをミツバチにしたんだ。僕に特別な仕事をさせたんだよ。花の蜜でなく、花粉を集めたんだ。それから金色の花粉をうちのぷるんごの花につけて回ったよ。ねえ、いったいどんなぷるんごの実がなるとおもう?」
「そりゃあきっと金のぷるんごがなるだろうよ。けどね、わたしのかわいいソン、かあさんは金のぷるんごより、おまえが元のままなのが、どれだけうれしいかしれないよ。」
おかあさんはそういって、ソンを抱きしめました。
「でも、ほんとうに金のぷるんごがなったら、どうする?」
ソンがきくと、おかあさんはこたえました。
「ごてんをたてて、一日中、寝ていよう。おまえは、もちろん学校へ行けるよ。クープにはごちそうを食べさせて、ぶたのようにふとったら、たべてしまおうよ。」
ふたりは、かおを見合わせておもいっきり笑いました。
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 その秋、金のぷるんごはなりませんでした。けれど、どこのぷるんごよりも、ソンのうちのぷるんごはりっぱでおいしい実をいっぱいつけました。市場に持っていくと、とびびきりの値で売れました。おかげでソンは学校にいけることになりました。学校が終わると、ソンはクープのところに飛んでかえりました。
 春にクープが子ヤギを産むと、乳搾りの仕事が増えます。もうこれまでのようにのんびりとすごすことはできなくなるでしょう。でもクープがいれば、きっとソンは学校を卒業することができるのです。ソンは、学校も仕事も、勉強もヤギ飼いも、どちらも大好きでとてもしあわせでした。